防災・耐震情報

 耐震診断について

「安全と安心のために、耐震改修を!!」

木造住宅の耐震診断・耐震補強工事の進め方をご紹介します。

 

「耐震改修」は、「耐震診断」「補強設計」「耐震補強工事」のステップからなります

  STEP1 「耐震診断」
   ご自宅の耐震性能に不安がある方は、まず「耐震診断」の実施をご検討ください。
弊社の経験豊富な建築士が耐震性能を判定いたします。

    STEP2 「補強設計」
   「耐震診断」で耐震性能が低いと判定された場合、次のステップである補強設計に進みます。
弊社では、極力工事コストが抑えられるような補強設計を心掛けており、また多くの場合は
居住しながらの工事となるため、日常生活を維持できるような補強内容を提案しております。

    耐震性能の向上は大前提ですが、弊社では「工事コスト」「居住環境」「耐震性能」のバランスを 
   考えた補強設計を提案させていただきます。

   STEP3 「耐震補強工事」
   「耐震補強工事」をおこなう場合、まず施工業者の選定をします。
弊社設計にて実績のある施工業者をご紹介します。その場合の紹介料等はいただいておりません。
またご希望の施工業者がある場合もご相談ください。
また工事着工後は、設計者である建築士が監理者として工事内容や施工品質の確認・指導をします。
監理者が現場確認に伺う際には、ぜひお客様にも立会っていただいて、補強工事についての解説を
させて頂きます。

    無料相談を実施しておりますので、お気軽にご相談ください。

 

 

≫耐震補強の必要性

平成7年1月に発生した阪神・淡路大震災の教訓から、同平成7年12月に耐震改修促進法(建築物の
耐震改修の促進に関する法律)が定められました。
震災での建築物被害の調査結果より、昭和56年6月の建築基準法改正以降の新耐震基準による建築物では
倒壊に至るような大きな被害は少なかったという結果から、大規模地震による被害を減少させるために
主に建築基準法改正以前の旧耐震基準による建物について耐震性の向上を図ることが求められています。

また、これを受け市区町村は、耐震診断・補強工事に補助金を出すなどして、耐震化率90%を目指して
耐震化を進めています。

 

≫診断方法について

診断の対象とできる建物は、木造住宅(事務所・店舗併用住宅を含む)で、かつ在来軸組工法・枠組壁工法(ツーバイフォー工法)で建てられたものとなります。
耐震診断には「簡易診断」と「一般診断・精密診断」があります。診断方法は、地盤・基礎・壁の強さ
壁の配置バランス・柱梁等の接合部の状況・建物の重量・劣化状況等の要素を総合的に評価し、(財)日本
建築防災協会による耐震性能の基準値を上回れば耐震性能あり、下回れば耐震性能なしと判定し、耐震性能
が基準に満たない場合は、補強設計により補強方法・補強箇所等の検討をおこない、耐震性能の向上を図ります。

≫耐震診断・補強工事の流れ

※ 誰でも出来る我が家の耐震診断 (藤沢市HPより)


≫補強工事の方法

まず耐震診断の結果に基づいて補強設計を行います。耐震改修工事は、日常生活を続けながら工事を行う場合が多くあるため、補強をする場所や工事期間等に配慮する必要があります。
また、効果的な補強を行うことを前提として、コストを抑えるための補強方法の検討や、他にリフォーム計画のある場合は、その箇所に補強を行うなどして工事箇所を極力減らす配慮、また生活環境に合わせた改修を計画する等、綿密に補強計画を練ることが重要です。

建物の構造や形状、老朽度等により多種多様な補強方法が考えられますが、これらの補強方法を効率的に
使用し、新耐震基準に則した耐震強度まで向上させることを目的とします。

 

≫≫基礎の補強

基礎にひび割れが入り、雨水等が侵入すると、鉄筋が錆び基礎の強度が落ちます。この場合はひび割れ
部分を埋め、鉄筋の劣化を抑えます。
また鉄筋の入っていない基礎で、ひび割れや大きな割れがある場合は、鉄筋の入った基礎を増し打ちする等して既存の基礎を補強をします。下図は弊社オリジナルの基礎補強方法です、現在では広く普及しており
実績のある補強方法となりました。

≫≫土台・柱・梁・筋かい接合部の補強(壁の補強)

建物が地震を受けて揺れると、柱・梁の接合部や柱・土台の接合部が外れて、建物が倒壊する可能性があり
ます。そこで接合部が外れないように、専用の金物で固定します。
また強度の弱い壁は筋かい入れて補強する、開口部(窓等)が多く壁が少ない面には、新しく壁を作るなど
して耐震性能の向上を図ります。

≫≫屋根の補強

重量のある瓦等の屋根は、揺れを受けると屋根重量があるほど、振り子のように大きく揺れ、家屋が倒壊
する恐れがあります。
建物をスレート葺き・金属葺き等とし、軽い建物とすることで耐震性能は向上します。

≫各自治体における補助金について

神奈川県の各自治体では、耐震診断・耐震補強工事に補助金を交付し耐震化を促進していますが、自治体
により補助金の交付基準や交付額など内容が異なります。
また補助金を申請するためには、自治体との事前相談等に診断者(建築士)の立会いが必要な場合があります。
弊社では書類作成や自治体との調整等、補助金の支払いが完了するまでサポートさせて頂きます。

一例として藤沢市の支援体制をご紹介します。

藤沢市では、木造建築物の耐震診断費用及び耐震改修費用の一部を補助しています。

≫≫耐震診断補助
(1) わが家の耐震診断(簡易診断法)を、市職員が無料で実施
(2) 一般診断または精密診断費用について、診断に要する費用の1/2かつ上限8万円までの補助

≫≫耐震改修補助
(1) 木造住宅耐震改修工事補助(耐震診断の総合評点が1.0未満のものを1.0以上にする工事)
一般診断または精密診断の総合評点が1.0未満であるものについて、耐震補強設計・工事監理
耐震補強工事に必要な費用の1/2かつ上限60万円までの補助
(2) 木造住宅簡易耐震改修工事補助(耐震改修工事を数回に分け、当初の補強により総合評点が
0.7以上、又は1階のみ1.0以上とする工事)
一般診断または精密診断の総合評点が1.0未満であるものについて、耐震補強設計・工事監理
耐震補強工事に必要な費用の1/2かつ上限30万円までの補助

(3) 木造住宅耐震シェルター設置事業補助
一般診断または精密診断の総合評点が1.0未満であるものについて、住宅の倒壊から自らの生命を守るための装
で、市長が定めたものを設置する工事に必要な費用の1/2かつ上限20万円までの補助

※藤沢市の場合、平成24年度は耐震診断補助金交付申請の事前相談予約を5/16日より、耐震補強工事補助金交付申請の事前相談予約を5/30日より、共に電話受付にて開始するとのことです。

各自治体とも補助金交付件数が定められている場合があり、先着順での受付になりますので、補助金を利用
しての耐震診断・耐震補強工事をご検討の方は、お早めにご相談下さい。

 

 

 

 

東日本大震災について


東北地方太平洋沖地震にて被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。

東日本地域一帯は、3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震以降も頻繁に地震に見舞われております。このマグニチュード9.0という未曾有の大災害の教訓を、今後起こり得る災害に生かし備えることを目的として、今回の地震被害を調査し建築計画・都市計画の観点より検討を行いました。

 

今回調査に行った地域は東北地方に比べると被害は軽度ではあるものの、その爪痕は震災から2か月が経過した現在でも、はっきりと見て取れ、改めて自然災害の脅威を痛感しました。

報告1「千葉県浦安市・液状化現象の調査」(調査日:2011/5/14)

<地域の構成>

浦安市は1964年から始まった埋め立て事業により、市総面積の3/4が埋立地で構成される。
埋め立て計画は数回に分けて施工されたため、内陸側の古い埋立地と海岸側の新しい埋立地では施工年度に10年以上の開きがある。

<被害状況>

今回の震災では、埋立地全域に液状化・地盤沈下の被害があったが、特に1970年代前半に造成された古い埋立地に、建物被害が目立った。

新浦安駅周辺の古い埋立地には、戸建住宅・低層の商業ビルが多く、木造・鉄骨造・RC造、築年数に関わらず、外部から目視するだけで傾きを確認できる建物が多数ある。道路の沈下・ひび割れの度合いも新しい埋立地に比べて大きく、ブロック塀も傾いているものが多くみられるのは、地域により液状化層の深度が異なることに起因するものと考えられる。

地盤の沈下によるガス・上下水道等のライフラインの破断が広範囲で発生しており、一部地域では現在も仮設配管で供給されている。

土圧の増大によるブロック塀の破壊

大きく沈下したRC造の建物は表層での地盤改良を採用している可能性が高く、その重量から沈下深さも大きい。沈下していないRC建物は、杭基礎でより深い層での支持が出来ているものと考えられる。

RC造の建物(写真左)が大きく傾斜している

木造建物に関しては、沈下度合いの差に建物形状・築年数の区別による関連性はみられない。
木造家屋においてはその殆どが表層での地盤改良であることが予想され、沈下深さの差は場所による液状化深度の差によるものと考えられる。

沈下したRC造建物

<修復方法>

液状化による地盤沈下に対しての復旧工事は、表層の支持地盤を液剤注入によって固め、ジャッキアップし沈下修正を行う方法や、基礎直下に鋼管杭を打つ方法があるが、これも浅い層での地盤改良工事であり家屋の水平を回復できるが、再液状化のリスクの解消までには至らない。

<対策>

ブロック塀については、コンクリートブロック積みの塀に多数傾き・破損がみられる。地盤の空洞化による破壊や塀底盤の強度不足がらくるものと予想されるため、塀の転倒防止策としては、より強度の高いRC製の塀を採用することが有効と考えられる。

ガス、上下水道等ライフラインの震災時の保守に関しては、本管~建物間に可動の継手を設けることである程度解消されるものと思われる。

中規模建築においては、杭基礎を採用し極力深い層で支持させることに加えて、1階土間に小梁を密に入れ1枚のスラブとして一体化させることにより、部分的な沈下を防ぐ。

住宅等の小規模建築においては被害の減少を考え、ブロック塀の転倒防止策として塀のRC化、ライフラインの遮断を防ぐための配管のフレキシブル化、基礎の破壊による家屋の崩壊を防ぐための、べた基礎・柱状改良の採用等が考えられる。

 

液状化現象が発生する仕組み


液状化とは、地震の震動によって、地盤が一時的に液体化する現象で、埋立地や河口などの砂質地盤で発生し、地盤の支持力低下による建築物の沈下・地盤の変形による地中埋設物の破損等の被害をもたらす。

液状化は、水分をたくさん含んだ砂質の地盤で発生する現象で、地震が発生する前このような地盤には隙間に水分を含みながらも砂粒子同士が接触していることにより安定し、構造物の重量を支えます。しかし、地震により地盤が強い振動を受けると、今まで互いに接して支えあっていた砂粒子が崩れ、塊になろうとし、固まろうとする砂粒の間に含まれた水分には周囲の砂からの力が加えられ、水圧が上昇しこの間隙水圧が上に載っている土の圧力と等しくなると、間にある砂粒にかかる力がつり合い、力が加えられていないのと同じ状態になります。

そのような状態になると、砂粒子は浮き上がり、液体と同様に自由に動く状態になり、地盤は支持力を失い建築物等の沈下を引き起こします。

同時に水圧により水と砂が共に地表に吹き出す現象(噴砂)が起こります。

このとき、液状化した地盤が水平に動く「側方流動」という現象が起こる場合もあり、阪神・淡路大震災では建築物の基礎が破壊される被害が起こりました。

神奈川県における液状化現象の起こり得る地域

神奈川県液状化マップ
国土交通省防災ポータルサイト

報告2「千葉県旭市・津波被害の調査」(調査日:2011/5/14)

震災の津波被害から2か月が経過した旭市飯岡地区、浜辺には瓦礫が積み上げられ、海岸通り沿いには住居跡の空地が数十件分を数える。

<地域の構成>

旭市の主要な市街地は海岸から3km程内陸部に位置し、海岸との間には農業地帯、海岸線には小規模の集落が点在する。
人口の多くは内陸部に居住していることから、過去の津波災害からの教訓を元にした都市計画を意識しているように思われる。また、海岸線の数か所に海抜を表示する看板があり、元禄地震の際の津波高さの表示が海抜3m程の位置にあることからも、この地域では津波に対する意識の高さが伺える。

<被害状況>

この地域の、特に被害の大きかった場所は海抜3m程度 海岸線から150m程内陸に位置する、地盤面から1m程の防波堤と道路を挟んで低層住宅が並ぶ。
残った建物の状況から推測すると、海側の建物は3m程度浸水した様子が見て取れる。鉄骨造の建物も瓦礫がぶつかり、外壁を破損している。
木造家屋に関しては、最大で海側から5軒ほど内陸に入った部分の家屋まで撤去されているが、海側で残存している家屋も多数あり、地形により被害に大きく差があった。

引き波で剥がれたインターロッキングブロック

さらに内陸に入った部分では家屋を大きく損傷している状況は見られず、大きな被害があったのは海岸から200m程度の家屋が中心で、かつ家屋より海岸側に障害物の少ない場所で多くみられた。

旭市の津波ハザードマップも元禄地震と同程度を想定して作成されている。

<対策>

・都市計画において、極力内陸に住宅地を計画する。
・防災林等津波の力を軽減する障害物を設ける。
・個人規模では防潮壁を設け、家屋に直接受ける力を軽減させる(下図参照)。

今回の津波で、家屋に被害はあったものの、補修をして居住している方も多くみられた。海岸に家屋がある以上は、完全な防災は難しいと考えられ、今後起こり得る津波の規模も予想は不可能だが、家屋に対する被害を軽減するための対策を講じる必要があるだろう。

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