住宅の環境リニューアル

住宅のリノベーション
暮らしの環境をデザインし
well-being(ウェルビーイング)「健康」「幸福」な生活を、住環境から実現

住宅の断熱  ~ 消費エネルギーを最小限に ~

 快適な住環境を作るためには、断熱性や気密性、換気などの機能は欠かせません。住宅の断熱性能を向上させることで、夏の暑さ、冬の寒さが室内に伝わりづらくなり、年間を通して過ごしやすい室温になります。断熱性能を上げるためには、室内の壁の断熱材だけでなく、窓ガラスやサッシ、玄関ドア、床、天井、そして、外壁や屋根の断熱方法もあります。

 それらを総括的に断熱すると…

  • 年間を通して家全体が過ごしやすい室温になります
  • 電気代も最小限になり、ランニングコストが下がります
  • 湿度の高い季節のダニの発生を防ぎ、乾燥が気になる季節も湿度を保ちます
  • ヒートショック対策になります

窓・玄関ドアの断熱

▼ サッシ

 アルミは、ガラスやコンクリートに比べて、熱伝導率が大きいので、開口部面積に占めるアルミフレームが細い(見付面積が細い)ほど、通過する熱が小さくなり、断熱性能が高くなります。
 さらに、アルミサッシとアルミ樹脂複合サッシでは、熱伝導率の小さいアルミ樹脂複合サッシの方が高断熱になります。

ガラス

 断熱ガラスは、大きく4種類に分かれます。

複層ガラス
2枚のガラスの間に空気層(中空層)を含ませたガラスのこと

エコガラス
Low-E複層ガラス
Low-E膜とよばれる特殊な金属膜で覆い、複層ガラスよりも断熱性能が高い

トリプルガラス
3枚のガラスで、日射取得型(シングルLow-E)と日射遮蔽型(ダブルLow-E)の2つのタイプがある

真空ガラス
2枚のガラスが用いられますが、複層ガラスのようにガラスの間の層が真空層になっている

※5枚のガラスを使ったLow-E五層ガラスもありますが、組み合せが出来る窓が限られています。

トリプルガラスの遮熱高断熱(日射遮蔽)タイプと高断熱タイプ(日射取得)タイプで性能が異なります。

遮熱高断熱タイプは、冬の暖かい日差しも遮ってしまうため、南面など日差しを取り込みたい方角に使うと、かえって暖房費が高くなってしまいます。南向きの窓に日射取得タイプを、西向きの窓には日射遮蔽タイプなど、その住宅の年間日射環境によって、各箇所の窓ガラスを変えることをおすすめします。

玄関ドア

玄関ドアは、熱の出入りが多い場所です。ドアや窓から出入りする熱は、住まいの中で大きな割合を占めています。玄関の断熱は、玄関と廊下、部屋との温度差を抑え、ヒートショック軽減に役立ちます。

高断熱玄関ドアや断熱玄関ドアは、外気の影響を受けにくいため、温度差はによって発生する結露を抑制し、湿気による住まいの劣化を防ぎます。

床、天井の断熱

 暖房をしていても足元が冷える…
  一階で寝ていて、底冷えする…

 床下は冷気や隙間風の影響を受けやすく、寒い時期には足元から体全体に冷えを感じる底冷えを招く恐れがあります。床下から冷えを感じる「底冷え」を防ぐには、床下への断熱対策が必要です。

フローリングなどの床板を取り外さず、床下に断熱材を入れる方法と、床板をすべて取り外し、根太と根太の隙間にはめ込む方法があります。

断熱材の種類
 グラスウール…人口繊維(ガラス)ガラスなので耐火性が強い
 ロックウール…人口繊維(石・岩)岩が原料なので耐火性が強い
 セルロースファイバー…断熱効果+防音効果が高い
 ポリエチレンフォーム…発泡スチロールやスタイロフォームのこと

天井

 敷き込み工事と吹き込み工事の二種類があります。
  敷き込み工事…天井の骨組みの間に断熱材を敷いていきます。
  吹き付け工事…綿状になっている断熱材を専用の機械を使用して天井に吹き付けていきます。
 また、天井の上側(小屋組)と下側どちらに施すかの施工方法があります。

屋根、外壁の断熱

外壁

  内外部から断熱材を貼ることができますが、外壁材の張り替えなどと一緒に実施するとスムーズです。

屋根

 暑さ対策に対して、遮熱と断熱がポイントです。お住まいに合った断熱方法の選択が重要となります。小屋組から断熱材を入れる方法や、屋根下面に綿状の断熱材を吹き付ける方法、野地板の上に断熱材を敷き込む方法、屋根材自体に断熱材が施されているものもあります。

空調設備

エアコン

 エアコンを買うときに、性能を示す際によく見る「目安畳数」、実は住宅の断熱性も気密性も低かった70年前(1954年)の基準が今も適用されています。30年、40年前に建てられた住宅なら、よく表示されている畳数が目安になるのですが、最近建てられた住宅は状況が違います。

年代ごとの断熱性能の基準は下記のようになっています。
↓↓↓
・昭和55年基準…Q値5.2以下
・平成04年基準…Q値4.2以下
・平成11年基準…Q値2.7以下


※Q値とは「どれくらい熱が逃げにくい家なのか」がひと目でわかる数値、「熱損失係数」のことです。住宅の断熱性が高ければ高いほどQ値の数値は小さくなり、Q値が小さい家=熱が逃げづらい家=冷暖房の効率がよく省エネ性能が高い家だということがわかります。

 現在の高気密・高断熱の高機能住宅でその基準に沿ってエアコンを選んでしまうと、冷やしすぎたり暖めすぎたりしてしまいます。高機能住宅であれば、エアコン1台でも十分な場合もあるのです

 断熱性能の高い住宅は、ひとつ、または少数のエアコンだけで、お部屋だけでなく、廊下や脱衣所なども含め、家全体が快適な温度を保つことができます。ただ、そのエアコンの設置場所がポイントなので、設計の段階でのエアコン位置の計画が一番重要です。

 断熱性能が低い住宅は、外気の影響を受け、室内温度が上下します。そして、各部屋にエアコンを設置することになり、各部屋の設置場所や、室外機の場所の確保、そしてメンテナンスなど、電気代のコストパフォーマンスだけでなく、各エアコンの維持・管理を要します。今までの住宅では各部屋にエアコンが1台設置されているのが当たり前ですが、これからの住宅は、一棟に対しての導入数は少なくなっていくでしょう。

 現在のお住まいへ導入するにふさわしいエアコンの性能を知るには、下記のエアコン選定ツールが便利です。電力中央研究所というところで公開されている「エアコン選定ツール(asst)」というツールです。

 住んでいる地域や、家のどの部屋に設置するか、どのようにエアコンを使うかを入力すると適切なエアコンの出力能力が表示されます。表示された能力を満たすエアコンを探すと良いでしょう。

種類

壁掛け式
一般的な家庭で広く使われており、種類も豊富で、機能面でも充実しています。省エネ基準達成率も高いのは壁掛け式エアコンです。

天井埋込ダクト式
天井を開口して空調機器を埋め込むタイプです。吹出口や吸込口の場所が自由に決められ、インテリアや部屋の雰囲気を壊さずに設置できます

天井吊式
天井から直接吊るして設置するタイプです。吹き出し口が広く、パワーが強いので、遠くまで風が届きます

※他、床置きエアコンや窓用エアコンなどもあります。

換気

 断熱性が高い高機能住宅では、適切な換気計画と建物内外の気圧のバランスが快適さに大きく影響します。

 熱交換換気システムがないと、冷えた外気・高温の外気がそのまま給気口から室内に入り、室内の温度を上下させてしまいます。熱交換換気システムを備えると、入ってくる空気と出ていく空気に温度差がなくなり、新鮮な空気も取り込むことができます。

熱交換のタイプは大きく2つ

熱と水蒸気を交換する全熱交換型
三菱電機 ロスナイ など

熱のみを交換する顕熱交換型
日本スティーベル など

換気方法について

ダクト式セントラル型(全館換気)

ダクトレス式(局所換気)

 換気計画において熱交換換気システムやその効率よりはるかに大事なのは、外部の給気口の位置室内の給気と排気の数と位置です。建物内外の気圧のバランスは、室内をプラス圧にしておくのが望ましく、室内の空気が外に流れやすくします。

断熱等級の違いでこんなに変わる?!

 ※法改正により、2025年4月~全ての新築住宅・新築非住宅省エネ基準適合義務が始まり、省エネの基準を満たすことが必須となりました。既存住宅についても、省エネに関わるリノベーションをした場合、住宅全体が省エネ基準を満たしているか診断が難しい場合も、部分的に省エネラベルを付与できます。

お住まいの断熱性能を向上させ、快適な暮らしを実現しませんか♩
小さなお子さまがいらっしゃるご家庭からシニア世代の方まで、すべての方が安全で心地よく生活できる空間づくりを目指しています★

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住宅の創エネ  ~ エネルギーを創り出す ~

 東京都では、今年の4月からいよいよ太陽光発電システム設置の義務化制度がスタートします。対象は「年間供給延床面積2万㎡以上の事業者が供給する新築住宅」で、屋根面積や日照条件によっては対象外となる場合もあります。まだ全住宅対象ではありませんが、再生可能エネルギーの導入を推し進める流れが加速しています。神奈川県もその流れは感じており、神奈川県は、初期費用無料の太陽光発電「0円ソーラー事業」を促進しています。

「0円ソーラー」事業とは?

【出典元】初期費用0円で、太陽光発電を!0円ソーラー
【出典元】初期費用0円で、太陽光発電を!0円ソーラー
【出典元】初期費用0円で、太陽光発電を!0円ソーラー

蓄電池DR補助金とは?

「0円ソーラー」に関連して、太陽光発電と蓄電池セットで導入することで、補助金を受け取れる場合があります!

電力需給に合わせて電力消費を調整できるDR対応の蓄電池であれば、国の「DRに対応したリソース導入拡大支援事業(仮)」を活用することが可能です。こちらは以前に紹介した「子育てグリーン住宅支援事業」をはじめとした3省連携の「住宅省エネキャンペーン」と併用できます。

蓄電池とDR対応蓄電池の概要

蓄電池とは?
蓄えた電気を必要に応じて放出することができます。太陽光発電システムと合わせて導入することで、発電した電気を蓄電池に貯め、停電時や太陽の出ていない夜間にも利用することが可能です。

蓄電池のメリット
■ 電力の安い時間帯(深夜料金)に蓄電し、高い時間帯に放電することで電気料金を節約できます。
■ 太陽光発電と併用の場合、日中に発電した余剰電力を貯めて、夜間に使用できます。
■ 災害時のバックアップ電源として活用できます。太陽光発電と併用して、停電時も電力を貯めながら使えば、太陽が出ていない夜間も電気を使えます。
■ FIT(固定価格買取制度)期間終了後に売電収益が減少することを見越して導入すれば、余剰電力を自家消費に回すことができます。
■ IoTを活用し、蓄電池+太陽光発電をスマートメーターやエネルギーマネジメントシステム(HEMS)と組み合わせることで、電力消費を効率化できます。

DR対応蓄電池とは?
DR(Demand Responseデマンドレスポンス)とは、電力需要と供給のバランスを取るために、需要側(消費者)が電力会社の要請に応じて電力使用量を調整することで、この仕組みを取り入れた蓄電池がDR対応蓄電池です。
電力需要ピークを抑えることで発電所の稼働を減らし、CO₂排出量を削減できます。
また、電力需要が低い時間帯に蓄電池を充電し、高い時間帯に放電することで、電気料金を抑えることが可能。環境にも、使う人にも、大きなメリットがあります。

【出展元】SII:一般社団法人 環境共創イニシアチブ|事業トップ(令和5年度補正 家庭・業務産業用蓄電システム導入支援事業)

 予算面などから導入を見合わせるご家庭も多かった蓄電池ですが、近年では以前に比べて価格が抑えられてきている上に、国や地方自治体で蓄電池の導入に関する様々な補助金が施行されています
 お住まいの創エネ省エネリノベーションDR対応蓄電池補助金などにご興味がある方はぜひ一度お問い合わせください。

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